9月27日(金)、藤井かつひこ議員は一般質問に立ち、次の4つのテーマをとりあげました。
【1】市役所周辺公共駐車場有料化について
(1)「入庫待ちによる混雑の緩和」のためと言うなら、なぜ夜間、土日まで有料化するのか
(2)渋滞状況調査は第一駐車場(107台)のみなのに、有料化は周辺施設駐車場すべて(764台)で導入するのか
(3)市役所周辺公共駐車場の不足についての根本的対策は
(4)2時間超利用者の認証による無料化については
(5)市民会館の利用者にとっては
【2】小規模修繕登録制度について
【3】地域活動の支援について、こどもセンターの地域利用は
【4】リニア中央新幹線の建設と駅誘致について、環境影響評価準備書公表を受けて
その1問目の質問全文をご紹介します。 答弁と2問目、3問目については、後日作成される会議録をご覧下さい。相模原市議会のホームページでも、会議録検索やインターネット会議中継・録画によりご覧いただけます。
日本共産党の立場から、一般質問をおこないます。
第一は、市役所周辺公共駐車場有料化についてです。
市はこの6月に、市役所周辺の公共施設駐車場を、来年5月から有料化すると発表しました。2時間間までは無料だが、2時間を超えると60分200円などとするとのことです。有料化を導入する理由としては、「数十台規模の入庫待ち渋滞が月に数日発生している」現状があるので、有料化により長時間駐車を抑制して入庫待ちによる渋滞を解消したい、ということのようです。
しかし、市が実施した渋滞状況の調査は、平日の朝8時から夕方5時30分までの時間帯におこなったとのことです。つまり、平日の夕方以降の夜間、また土日祝日は、渋滞解消という課題解決の対象とは考えられていないということです。それなのに、なぜ平日夜間、土日まで有料化するのでしょうか。ご説明願います。
また、その渋滞状況調査は第一駐車場についてのみ実施したとのことです。有料化は周辺施設駐車場すべてで導入するというなら、なぜ第一駐車場以外の周辺駐車場について実態調査を行わなかったのでしょうか、うかがいます。
ところで、市はこれまで、駐車場の将来需給バランスを算定し、駐車場の不足が見込まれることから、市役所第二駐車場を立体化して増設・再整備することも検討した経過があります。
現時点で、市としては、市役所周辺公共駐車場は不足しているという認識なのか、うかがうとともに、不足しているとすれば、その根本的対策についてはどう考えているのか、うかがいます。
さて、市はこの有料化を導入するにあたって、当初配布された説明文書では、2時間を超える利用者でも、「次のものは認証により無料とする」として、二つのケースを挙げていました。一つは「市が開催する会議の出席者、ただし市の依頼による出席者に限る」、二つは「市の窓口において相談や混雑のため利用時間が2時間を超過した利用者」、であります。認証による無料化ついては、きわめて限定的に示されていました。
しかし、「議会傍聴者や市が主催するセミナーへの参加者などはどうするのか」との先の代表質問での質問には「関係部署と調整している」との答弁でした。認証の対象・範囲について、当初の説明に比べて広がりそうな印象を受けましたが、そうであるなら、「市が開催する会議の出席者」であっても、「市の依頼による出席者に限る」としていた当初の説明は、見直されたと考えて良いのか、うかがいます。その点で、たとえば審議会等の傍聴者はどう考えているのか、うかがいます。
そして、認証の対象、範囲等について、現時点での考え方をうかがいます。
次に、市民会館の利用についてですが、市民会館の会議室やホールの利用は、打ち合わせ・会議、学習会、半日や一日の行事など、様々で、利用時間も様々です。
「2時間超えた利用は一律有料化」というやり方は、多様な文化活動、市民活動の妨げになるのではないでしょうか。「市役所第一駐車場の入庫待ちで月に数日渋滞が発生するから、市民会館利用者の駐車を有料にする」といわれても、理解は得られないと考えます。市長の見解をうかがいます。
第二に、小規模修繕登録制度について質問致します。
相模原市においては、「入札参加者登録を行わない小規模な事業者に、受注機会を確保するため」に、「工事は250万円以下」、「委託は100万円以下」の簡易な修繕等を対象とした小規模修繕業者登録制度を運用しています。小規模事業者の仕事確保をはかる有意義な制度と考えていますが、この制度の内容と趣旨について改めてうかがうとともに、現在、登録している業者はどれくらいあるのか、また1年間、1件も受注しなかった事業者はどれくらいあるのか、現状をうかがいます。
より多くの事業者が受注することをめざしてほしいと思いますが、現状をどう評価しているのか、課題は何か、うかがいます。
各課ごとの発注実績を把握して分析する、登録事業者へのアンケートを実施するなど、より詳細な実態把握が必要と考えますが、市長の見解をうかがいます。
第三に、地域活動の支援として、こどもセンターの地域利用について質問致します。
市民のみなさんが地域の活動にとりくむなかで、たまたま、地域にあるこどもセンターを、閉館中の時間帯だが、利用できたらとても助かるのに、というケースがあります。こどもセンターを新たにつくるときは、建設委員会を地域のみなさんで立ち上げて取り組んだ、そんな思いもはたらいてのことかもしれません。
こどもセンターは、児童、青少年のためにつくられた施設であり、こどもセンターには、児童クラブ会員の情報など、重要な個人情報が保管されており、無防備な一般開放にはなじまないことは承知しております。そのうえで、地域の市民活動を支援する観点から、閉館中の目的外利用を実現するために、課題は課題として解決する方策を、前向きに検討できないでしょうか。
具体的な運用としては、子ども施設課の管理から、地域の市民活動を支援する担当部署の管理に移し、予算、人、物の対応をはじめ、管理責任をもつというシステムは考えられないか、提案し、市長の見解をうかがいます。
第四に、リニア中央新幹線の建設と駅誘致について質問致します。
リニア中央新幹線(東京都・名古屋市間)に係る環境影響評価準備書がこの9月18日に公表されました。
膨大なページ数の準備書の主な部分にざっと目を通し、また準備書公表直後の新聞各紙の記事を読んだところ、これまで指摘してきた問題点は解消されるどころか、改めて浮き彫りになった、との印象を持ちました。
●リニア中央新幹線の必要性について。相変わらず「東京・名古屋・大阪を結ぶルートの二重化が必要」というのみ。説得力がありません。
●電力消費が従来型新幹線の少なくとも3倍以上であることについて、あまりにも無頓着。
●環境への負荷としてのCO2排出量について、準備書のなかにこっそりと、超電導リニアの一人あたりCO2排出量は東海道新幹線の約3倍、と書かれています。
●地下水をはじめ、さまざまな環境への影響について、準備書には、「事業者の実行可能な範囲内で影響を回避・低減していきます」と書かれており、「事業者の実行可能な範囲内で」という表現は大変気になるところです。
●9兆円を超える建設費を全額JR東海が負担することで国が建設を認めたかたちだが、資金繰りは本当に大丈夫なのか、という問題について。
この点について、気になる新聞報道が数多く見られます。
JR東海社は品川―名古屋間、名古屋―大阪間と「2段階」方式で開業することで、債務の膨張を抑え、経営の健全性を保ったまま計画を実現できるとはじく。ただ、工事は長期に及ぶことから、長期債務の金利負担や建設資材の高騰、難工事での遅れも想定される。【産経新聞9/19】
東日本大震災の復興事業や2020年の東京五輪開催に向けた公共工事の増加に伴う建設資材の不足なども懸念材料だ。【読売9/19】
国土交通省幹部など「難工事で建設費が膨らまないか心配だ」との声は少なくない。【毎日9/19】
中でも、最難関と目されるのが、南アルプスを貫通する約25㌔のトンネル。この地域の地層は「メランジュ」と呼ばれるタイプで崩れやすく、水が出やすい。JR東海もこうした事実を把握。当初は南アルプスを迂回するルートも検討していた。しかし、2009年、「より直線的で時間短縮が見込める」として現ルートに方針を転換した。【朝日9/19】
長野県在住で、60年以上、南アルプスを踏破してきた地質学者松島信幸さん(82)はこうしたJRの姿勢に「自然に対する思い上がりにほかならない。無謀な計画だ」と憤る。【朝日9/19】
…(JR東海の山田社長は)18日の記者会見では「技術面については工事を始めてみなくてはわからない」と語るなど、弱気も見せた。【朝日9/19】
他にも、山田社長の「大変な工事で、掘り始めてみたら何が起こるかわからない」「いつ何が出るかわからない」などの発言が報道されています。
●甘い需要見込みについて。リニア開業で需要は1.5倍に増え、東海道新幹線と分け合う。この甘い想定に、批判が強いのに、検証はされないままです。
●そんななかで採算性について。東海道新幹線だのみということが浮き彫りになってきました。
山田社長も「リニアだけでは絶対にペイしない。東海道新幹線があってこそ」と認める。【毎日? 9/19】
山田社長は「東海道新幹線の収入でリニアの建設費をまかなって、何とかやっていける」と強調した。【読売9/19】
「ドル箱」の東海道新幹線で収益を蓄えながら、巨額なリニア投資の原資を積み上げる算段だ。【日本経済新聞9/19】
●料金設定について。
料金は現在の東海道新幹線「のぞみ」の料金に700円増額らしいが、安すぎないか、という問いには、緻密な計算の積み上げではなく、「抵抗感なく利用してもらえる水準」(山田佳臣社長)を示しただけ。実際にはもっと料金が高くなる可能性もある。【日本経済新聞9/19】
●安全性について。地下トンネル走行中の事故や災害に遭遇したとき、どう避難するか。エレベーターで地上に避難するというが、一度に何人収容できるのか、1000人前後の乗客がすべて地上にあがるまでにどれくらい時間がかかるのか、依然として明らかにされていない。
などです。
多くの重要な問題があいまいにされたまま、建設工事に突き進んで良いのか。立ち止まって検証し再検討すべきです。
今後、相模原市民にかかわる生活環境や自然環境への影響などが問題になってきますが、「いったい何のために」「こんなリニアのためにどうして」という思いが強まることは避けられません。
今後、環境影響評価の手続きは、どのように進んでいくのか、市民の意見はどのように反映されるのか、うかがいます。
次に、環境影響評価方法書にたいする神奈川県知事や相模原市長の意見は準備書にどう反映しているのか、また市民からの疑問や意見にたいして、的確に答えているのか、現時点で市としての認識をうかがいます。
そして、JR東海主催の説明会だけでなく、第三者や市民が運営する形で、事業者であるJR東海、国、神奈川県、相模原市、そして鉄道をはじめ様々な分野の専門家などが一堂に会して議論し、市民も発言する、そんな機会を設けてほしいのですが、市長の見解をうかがいます。
最後に、リニア計画にともなうまちづくりについてです。【スポーツニッポン9/19】付けは、橋本駅南口周辺を取材して、{周辺の地価もじわじわ上昇。地元の不動産業者は「この3年間で1割ほど高くなった。リニア駅となれば長期間にわたり注目も集まる。今後の地価?青天井といきたいですね」と笑いが止まらない。}と書きました。また、{地元で35年続く喫茶店の2代目店主(44)は、町が活性化することを喜ぶ一方で「再開発は駅前だけで済むのか。店を今までどおり続けられるのかという不安はある」とつぶやいた。}とも書いています。
バブル経済の頃を彷彿させるような、あるいはそれを超えるような、住民不在の背伸びをした大型開発ではなく、今住んでいる人とその願いを大切にした、地味でも堅実なまちづくりこそ、すすめてほしいと思いますが、市長の見解をうかがいまして、第一問を終わります。
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