「議場における品位を欠く言動を慎むよう知事に求める決議案」は否決されたが、知事の言動が容認されたわけでは決してない
■10月16日本会議で「議場における品位を欠く言動を慎むよう知事に求める決議案」を提案するも否決される
10月16日(火)の本会議で、日本共産党県議団は「議場における品位を欠く言動を慎むよう知事に求める決議案」を提案し、提案説明を井坂新哉議員がおこないました。
[提案説明]
日本共産党の井坂新哉です。
私は、本議会に提出いたしました「議場において品位を欠く言動を慎むよう知事に求める決議案」について提案者を代表して提案説明をさせていただきます。
9月14日(金)、一人目の代表質問が終わり、休憩に入った直後、黒岩祐治県知事は質問を行った議員に対して、「質問しろよ」「卑怯じゃないか」などと議場で大声を発しました。
休憩中での発言ではありましたが、議場の中で、しかも質問の直後で、議員も傍聴者もまだ多くいる、ある意味、公の場面といってもいいような中で、知事が議員に向けた言動は、あまりにも品位を欠くものであったといわざるを得ません。さらに県民の代表としてお互いに選ばれた議員と知事とは対等かつ緊張ある関係を保持しながら、お互いの立場と権能の違いを尊重することが大切であり、知事の言動はそういった認識に著しくかけていると言わざるを得ません。
知事は、新聞の取材に答えて「相手に答える機会を与えない姿勢は全く理解できない」と述べておられましたが、一回目の質問をし、答弁が返ってきた後に再度、質問するかどうかは議員の裁量であり、再質問せずに要望などを述べて質問を終えることは一般的に行われています。
そのような中で、議会のルールに従って質問を終えた議員に対して「卑怯じゃないか」という発言は、議員を貶める発言であり、議会のルールの否定につながるもので、到底看過できません。
以上のことから、今回のことは休憩中の発言とはいえ、議場において議員と議会に向けられたものとして受け止め、このような言動を慎むよう議会から知事に求めるべきものと思います。ぜひ、議員のみなさまにはご賛同いただきますようお願いいたします。
以上で提案説明とさせていただきます。
[決議案]
<議場において品位を欠く言動を慎むよう知事に求める決議(案)>
県民の代表である県議会と知事は、より良い県政の実現に向けて、互いに切磋琢磨していくことが重要であり、対等かつ緊張ある関係を保持しながら、互いの立場及び権能の違いを尊重することが重要である。
しかるに、9月14日(金)、一人目の代表質問が終わり、休憩に入った直後、黒岩祐治県知事は質問を行った議員に対して、「質問しろよ」「卑怯じゃないか」などと議場で大声を発した。
休憩中の発言とはいえ、議場において議員も傍聴者もまだ多くいる中で知事が議員に向けた言動は、あまりにも品位を欠くものであり、相手の立場及び権能の違いを尊重する姿勢に著しく欠けていると言わざるを得ない。
知事と議会とは二元代表制を構成し、対等の立場で論議を交わし県民の負託に応える役割がある。再質問するかしないかは議員の裁量であり、今回の知事の言動は質問権に係るもので議会として看過できず、深く反省すべきである。
よって神奈川県議会は、黒岩祐治県知事に対し、これらの行為を反省し、議場において品位を欠く言動を慎むよう強く求める。
以上のとおり決議する。
提案説明の後、討論はなく、採決の結果、賛成したのは日本共産党県議団6名のみで、賛成少数で否決されました。
■10月15日議会運営委員会で各会派に共同提案=議会運営委員会としての決議案提出をはかるも賛同を得られず会派提案に
10月16日(火)の本会議に先だって、10月15日(月)の議会運営委員会で各会派に共同提案として、議会運営委員会として決議案を提出することを提案しましたが、他の会派で賛同するところはありませんでした。賛同しない理由としては、「休憩中のことだから」ということで、知事の言動そのものを容認する意見は出されませんでした。
そのため、16日の本会議には、日本共産党県議団単独で決議案を提案することになったものです。
決議案は否決されましたが、知事の言動が容認されたわけでは決してありません。
日本共産党県議団と藤井克彦議員は、引き続き、知事の発言の撤回と謝罪を求めてまいります。
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