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2012年6月10日 (日)

リニア中央新幹線 整備計画 住民説明会をめぐって

 相模原市は6月7日(木)の市議会本会議のなかで、日本共産党相模原市議団(大田ひろし議員)の代表質問における「市として、国やJR東海に市民への説明を求めるべきでは」との質問にたいして、「先月25日、山梨県内において、JR東海とリニア中央新幹線建設促進規制同盟会との共催により、リニア中央新幹線計画に関する説明会が開催されたと承知している。この説明会では、JR東海から、リニア特有の技術や環境への影響などについての説明があり、参加市民との活発な意見交換が行われたものときいている。本市としても、こうした説明会を通して、リニア中央新幹線に対する市民の理解が深められることは重要なことと認識していることから、神奈川県とともに、説明会の開催についてJR東海に働きかけていきたい」と答弁しました。

 そこで、5月25日に山梨県昭和町の「アピオ甲府」で開催された説明会について報道した山梨県の「山梨日日新聞」の新聞記事をご紹介します。

【山梨日日新聞 5月26日】

■リニア駅アクセス 「既存道利用望ましい」
 
 JR東海、身延線延伸は否定的

 リニア中央新幹線整備計画の住民説明会が25日、沿線都県のトップを切って、昭和町内で開かれた。焦点になっているリニア駅へのアクセスについて、JR東海幹部は、既存の高速道路や自動車専用道路を使って車で接続するのが適切、との見解を明らかにした。一部から出ている身延線を分岐し、延伸する案には「設備投資の余力がない」と否定的な考えを示した。リニア駅へのアクセスに関し、JR東海が見解を明らかにするのは初めてで、今後、本格化する議論にも影響しそうだ。

 同社の内田吉彦・環境保全統括部長が出席者の質問に答える形で明らかにした。内田氏は「高規格道路を使った車でのアクセスが適切」と説明。リニア駅の設置が予定されている甲府市大津町付近を通る新山梨環状道路や、スマートインターの新設が計画されている中央自動車道を利用すれば広範囲から接続できる、とした。

 リニア駅へのアクセスについては、甲斐市の保坂武市長が身延線を分岐してリニア駅と接続する案を提唱していたが、内田氏は費用面で実現には高いハードルがある、との見解を示した。

 また、ピーク時の消費電力が名古屋開業時で27万キロワット(1時間当たり5本)になることを説明し、「東京電力の夏の供給力は5771万キロワット、中部電力で2785万キロワットあり、供給能力と比べれば消費電力は小さい」と強調。電力不足でリニアの電力が賄えなくなる可能性は低いとした。

 地震対応では、初期震動を感知する早期地震警報システムを導入するほか、トンネルにはロックボルトと呼ばれるくいを増やして補強すると説明。「ガイドウエー(軌道)があって脱線しない。地震には強い」と強調した。

 甲府市中心部から約7キロ離れたリニア駅へのアクセスは大きな焦点の一つ。県は有識者らによる推進懇話会で議論し、本年度策定予定のリニア活用基本構想で方向性を示すことにしている。

 説明会後の取材に対し、同社中央新幹線推進本部の宇野護本部長は高速道路によるアクセスについて「中央自動車道や新山梨環状道路と組み合わせることで、より広域にリニアの効果をもたらすことができる」などと話した。

■初のリニア住民説明会「機会増やして」の声

 環境は補償は…質問相次ぐ

 JR東海が25日開いたリニア中央新幹線整備計画の住民説明会では、「自然環境への影響は大丈夫か」「建設のために農地を提供した人の補償は」など、建設に伴う県民生活への影響を懸念する質問が相次いだ。整備計画が進む中、県内全域を対象にした住民説明会が初めての開催となったことに対し、説明の機会を増やすよう求める声も上がった。

 説明会には約420人が出席。JR側がリニア整備計画の概要などを説明した後、10人以上が質問した。

 リニア駅の建設が予定されている甲府市大津町に隣接する西下条町の男性は、「(駅建設などで)農地を手放して働く場所がなくなった人の雇用はどうなるのか」と農地提供に伴う補償を質問。JR側は「雇用のあっせんは考えていない。用地については地権者としっかり話をさせてもらう」と述べた。

 「整備を急いでいるように見える。自然豊かな秘境にボルトを打ち込むような工事なので慎重に進めてほしい」と、環境への影響に懸念を示したのは北杜市の女性。甲斐市の女性も「自然環境を壊すことになるが、リニア整備のメリットは何なのか」と効果を疑問視した。

 一方、一般県民の募集定員が200人だったのに対し、沿線市町村などでつくるリニア中央新幹線建設促進県期成同盟会に300席が割り当てられていたことを批判する声も。甲府市の別の男性は自治体関係者の出席が目立つとし、「だれのための説明会なのか」と指摘。「良い面を強調するだけではなく、マイナス面も含めて、(駅建設が見込まれる)地元でひざを交えて話し合うべきだ」と要求した。

 この日のJR東海側の説明は大型スクリーンにデータなどを映し出す形で行われ、出席者への資料配布はなかった。「今日示したものをネットなどで公開してほしい」と求める声も多かった。

 JR東海は昨年10月、環境影響評価(アセスメント)に関する説明会を沿線市町村で開いているが、県内全域の住民を対象にするのは初めて。今後、山梨以外の沿線都県でも開く。

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